サファイア

ブルーサファイアは、鉱物種のコランダムに属します。 純粋な青色の石もありますが、緑がかった青から紫がかった青まで色には幅があります。 「サファイア」という名前は、赤色ではないためコランダム族のもう一つの変種であるルビーとは認められない、その他の全ての色のコランダムにも使用されます。

ブルーサファイアとルビーのほかに、コランダム族にはいわゆる「ファンシーサファイア」も含まれます。このファンシーサファイアには、バイオレット、グリーン、イエロー、オレンジ、ピンク、パープル、そして中間の色合いのものがあります。 また、異なる色の組み合わせを示す「パーティカラー」サファイアもあります。 変色効果として知られている現象を示すカラーチェンジサファイアもあり、ほとんどの場合、日光および蛍光灯のもとでは青色を示し白熱灯のもとでは紫色に変化します。 またサファイアにはグレー、ブラック、ブラウンのものもあります。

一般的に、ファンシーサファイアはブルーのものより少なく、いくつかの色、特に非常に小さいサイズや非常に大きなサイズのものは、かなり少数です。 それでもファンシーサファイアは、この宝石にまつわるロマンスが好きで、しかも普通と違うものを好む方にとっては幅広い選択肢を提供してくれます。

鉱物コランダムは、アルミニウムと酸素のみから構成され、シリコンが存在しない成長環境を必要とします。 ところがシリコンは非常に一般的な元素であり、したがって天然のコランダムは比較的珍しいものとなっています。 純粋な状態では、コランダムは実際には無色です。 無色のサファイアはダイヤモンドの模造品としてかつて人気を集め、近年アクセントになる石として再び注目されています。

しかし、無色のコランダムは稀少です。 ほとんどのコランダムには、色の原因となる微量元素が含まれているからです。 微量元素が鉄およびチタンである場合、コランダムはブルーサファイアになります。 鉄とチタンがわずか百分の数パーセントあるだけで色の原因となり、コランダムに含まれる鉄が多いほど、青色も濃くなります。 クロムは、ルビーの赤色やピンクサファイアのピンク色を生じさせます。

1990年代の東アフリカおよびマダガスカルでの発見により、ファンシーサファイアが幅広く認識を得るようになりました。 新しい産出地は、スリランカやマダガスカルのような伝統的な産地からの生産を補い、イエロー、オレンジ、ピンク、そしてパープルサファイアの供給を増加させました。

その色は、レッド、ブルー、グリーンという伝統的な色合いからの脱却を望むジュエリーデザイナーの注目を浴びました。 今日、現代的なデザイナーは、見事な虹色のセットでファンシーサファイアをアレンジしています。

コランダムは、アステリズムと呼ばれる現象、すなわちスター効果を示すことがあります。 この現象は通常、カボションカットの石の湾曲した表面で六条の星の模様として表れます。 スター効果はルビーやどの色のサファイアにも見られることがあり、多数の細かな方向性を持った針状インクルージョンから反射する白色光により生じています。

ファンシーサファイアとスターコランダムの他に、もう一つ興味深い変種があります。それは、カラーチェンジサファイアです。 この魅力的な石は、照明が変わると違う色に見えます。 カラーチェンジサファイアの存在は、すでに素晴らしい宝石のコランダム族にさらに特別な一面を加えます。

ブルーサファイアとファンシーサファイアのどちらも、マダガスカル、タンザニア、スリランカ、ミャンマー、オーストラリアなどのエキゾチックな様々な産出地で採掘されます。