アレキサンドライト

アレキサンドライトはカメレオンのような性質を持ち、鉱物クリソベリルの希少な変種です。 その色は、日光または蛍光灯の下では美しいグリーン、そしてランプやろうそくの炎などの白熱光の下では茶色がかった、もしくは紫がかった赤に変わります。 これは、この鉱物が複雑な方法で光を吸収するためです。

アレキサンドライトの劇的な色の変化は、時に「昼はエメラルド、夜はルビー」と表現されます。他の宝石でも光源の変化に応じて色が変わるものもありますが、この宝石のもつ変化は現象自体が印象的なことから、「アレキサンドライト効果」と呼ばれることがよくあります。

アレキサンドライトは強い多色性を示す宝石でもあり、見る方向が変わると異なる色が見られます。 その多色性の3色は一般的に、緑、オレンジ、赤紫です。 しかしアレキサンドライトの印象的な色の変化は、宝石の多色性からではなく、その珍しい光吸収特性に由来しているのです。

その希少性のため、特に大きなサイズでは、アレキサンドライトはクリソベリル族では比較的高価になります。 養殖真珠やムーンストーンと並び、6月の誕生石とされています。(日本では、アレキサンドライトは6月の誕生石に含まれない場合もあります。)