ルビー



ルビーは、鉱物種コランダムの変種の一つで、コランダムにはサファイアも含まれます。ルビーは高く評価されており、非常に高いカラット単価が付けられることがあります。カラーストーン市場で最も重要な宝石の一つであると言っても過言ではないでしょう。

鉱物コランダムは、全く不純物のない状態では無色です。この鉱物の結晶構造の一部となる微量元素が原因で、様々な色が生じます。ルビーの赤い色を生み出す微量元素はクロムで、オレンジがかったレッドから紫がかったレッドまで多様な色となります。

ルビーの赤い色の強度は、含まれるクロムの量によって異なります。クロムの量が多ければ多いほど赤い色が強くなります。クロムのため蛍光が生じることもあり、それにより赤い色がさらに強まります。

ミャンマー、ヒマラヤ、ベトナム北部から産出されるような最も名高いルビーは、一般的に大理石中で形成されます。このようなルビーは、周囲の大理石の中で不規則に分布する層で発見されます。山が形成される際に生じる熱と圧力が既存の石灰岩鉱床に反応すると、大理石が変成(岩石の変質)過程の一部として形成されます。


大理石における鉄の含有量は少ないため、大理石を起源とするルビー(ジェモロジストは「大理石を母岩とする」といいます)には、鉄が不足しています。このため、このようなルビーの多くは強力な赤い色を示します。

さらに、大理石中に発見されるルビーは通常、紫外線の下で赤色の蛍光を発し、これは日光に含まれる紫外線でさえもあてはまります。 蛍光はルビーの色をさらに強め、その価値を高めます。

他の地域では、ルビーは玄武岩中に発見されます。これらの原産地から採鉱されたルビーは鉄の含有量がより高いため、ルビーの色が暗くなり、強度が弱めになります。ルビーの化学組成における高い鉄含有量は、赤い蛍光を隠し、大理石を母岩とするルビーが放つ赤い色の特別な輝きを取り除いてしまいます。